多摩獣医科病院のブログ

狂犬病予防の必要性 〜初心者飼い主さんが知っておくべきこと〜

狂犬病予防の必要性 〜初心者飼い主さんが知っておくべきこと〜

 

犬の飼い主は年に一度必ず狂犬病の予防接種を愛犬に受けさせる必要があります。狂犬病はいつ愛する飼い犬が感染してしまってもおかしくない感染症です。このページでは狂犬病の予防接種の必要性を解説します。これから犬を飼おうとしている飼い主さんはぜひチェックしてください。

狂犬病について

最近ではいかに恐ろしい病気なのかをよく知らない方も多いのではないでしょうか。簡略的ではありますが、まずは脅威について解説していきましょう。

どのような病気

この病気は全世界で蔓延している病気で、感染した哺乳類のほとんどが死んでしまうと言われています。この病気の厄介なところは犬が感染すると他の哺乳類にも危害を与えてしまうという点です。いくら穏やかな性格な犬でも感染すると一気に凶暴化し飼い主や他の動物に噛みつき襲い掛かります。その結果、ウイルスが他にも感染し、大量に死んでしまう可能性があります。人間も例外ではなく、発症すればほぼ100%の確率で死に至る大変危険な病気なのです。

日本の現状

犬の命を危険に晒すだけでなく、他の動物にまで脅威を与える病気ですから、日本では「狂犬病予防法」が制定されており、定期的に狂犬病の予防ワクチンを犬に受けさせるように定められています。日本国内で広まっていないのはこのように定期的に予防接種を受けなければならない制度があるからです。

こうした狂犬病対策が功を奏し、1956年を最後に国内での発生はありません。また、輸入感染事例としても、1970年にネパールからの帰国者で1例、2006年にフィリピンからの帰国者で2例と極めて少なくなっていますが、海外旅行先で感染するリスクは高まっており、厚生労働省もその危険性を呼びかけています。近隣諸国では蔓延しており、いつまた日本国内でも蔓延してしまうかわからない恐ろしい病気であることを私たちは認識しておくようにしましょう。

予防の対象となる犬

生後91日後の犬が予防接種の対象となります。一年に1度は接種することになります。ただし、一部の犬は予防接種が除外されるケースもあるので受ける必要があるかどうかはかかりつけの獣医師さんと相談なさってください。基本的には健康的な犬であれば年に1度接種すれば大丈夫です。

気になる費用は?

予防接種は1回あたり3,000〜3,500円です。また、地域によって異なりますが、初回のみ治療費以外に登録料がかかることもあります。

どうして受ける必要があるのか

年に1度受けなければならないと言われています。この病気にかかりますと、飼い主さんの命も危ないだけでなく、場合によっては犬を殺処分しなければならないケースもあります。税金や年金を納めるように、犬を飼うと絶対に狂犬病の予防接種を受けなければならないという認識で飼うようにしてください。

飼い主さんが気をつけること

ワクチンを接種する際、次のようなことに気をつけるようにしてください。

5-1.ハガキで接種のタイミングを計る
年に1度の予防接種なのでいつ受けたかわからなくなってしまうことがあります。一度接種を受ければ自治体から予防接種を受ける通知が届きますので、ハガキでタイミングを知るようにしましょう。

また、他人から譲り受けた犬や保護犬を引き取る場合はワクチンを接種されたかどうかチェックしてください。わからない時は獣医師に相談して受けるべきかどうかを判断してもらいましょう。

獣医師と相談する

ワクチンを初めて打つ飼い主さんは、今後どれくらいの頻度で予防接種を受ける必要があるかを相談しましょう。年に一度だけではなく半年に一度抗体を作るために接種することが必要な場合もあります。素人判断が最も危険ですので、診察をしてもらった後どれくらいの頻度で接種を受ける必要があるかを確認しましょう。

接種後は注意深く観察する

体質によって予防接種を受けた後に元気をなくしてしまう犬もいます。このような犬は獣医師による治療が必要になることもあります。数日間観察をするようにしましょう。いつもと明らかにおかしい場合はすぐに動物病院に行きましょう。

また接種後数日間は激しい運動や散歩、入浴などはおすすめしません。安静にさせることが大切ですので、数日間は激しい運動は避けるようにしましょう。

まとめ

予防をしっかりしておけば、日本国内で狂犬病に感染することはまずありません。もし海外に犬を連れて行く場合は必ず狂犬病のワクチンを受け、帰国後は診察をして健康状態をチェックするようにしてください。

「多摩獣医科病院」では、犬、猫を中心に丁寧な診察を行っています。狂犬病の予防接種ももちろん実施しております。これから川崎市で犬を飼おうと検討している方はぜひ当院にお越しください。些細なことでも構いませんので、お困り事がありましたらいつでもご相談ください。