多摩獣医科病院のブログ

ペットが怪我をしたら!飼い主がすぐにできる応急処置法

ペットが怪我をしたら!飼い主がすぐにできる応急処置法

 

ペットが怪我をすると焦ってしまう飼い主は多いのではないでしょうか。冷静に対処できるようにあらかじめ応急処置を知っておきたい人のために、本記事ではペットにありえる怪我に応じた対応の仕方を紹介します。飼い主ができる範囲での処置法を紹介しますので、これを読んでペットに訪れる不測の事態に備えましょう。

ペットの応急処置における注意点

ペットは人間と違い、怪我の応急処置を施そうとすると暴れたり噛みついたりして抵抗する場合があります。これによりペットの症状の深刻化や、飼い主の怪我のおそれがあるので要注意です。

 

犬や猫のケースにわけて注意点を述べます。

 

犬はまず噛みつき防止が必要

犬に人間が応急処置を施すなら、最初に噛みつき対策が必要です。口輪をつけるなどして噛まれない状況を作り上げましょう。

 

口輪がないなら、鼻先の長い犬はそこをヒモで2、3巻きして耳の後ろで結びます。鼻先が短ければタオルなどを首に巻き、耳の後ろで手持ちなどにより固定しましょう。 

 

猫はバスタオルでくるんで持ち上げよう

猫に応急処置を施す場合は、バスタオルでくるんであげましょう。同じくタオルなどを敷きつめた洗濯かごなどに猫を入れて、安心しやすい状況を作ってあげてください。そこからケガの部分の手当をしてあげます。 

 

外傷や出血をしている場合

ペットにありがちな怪我にちょっとした外傷や出血があります。特に病院に連れていく必要がない程度でも、動物は人間の想定以上に痛がることがあるので、丁寧に処置をしてあげましょう。 

 

水で汚れを流して止血しよう

散歩中やドッグランなどでの遊びの最中に転倒したり、ほかの動物に噛みつかれたりしてできた傷は、最初に汚れを洗い流す必要があります。傷口にばい菌などが入って感染症になることを防ぐためです。

 

傷に染みづらいなどの理由で生理食塩水がおすすめとされますが、ない場合は水道水で済ませましょう。きれいな布で濡れた場所をふきとり、ガーゼや布などを押し当てて止血に入りましょう。 

 

深いケガの場合はタオルなどで強くしばる

傷が深かったり出血量が多かったりする場合は、タオルや包帯などを傷口に巻き、手ぬぐいなどで縛るかテープで固定しましょう。その状態のまま動物病院へ向かいます。

 

なかには包帯や布を自力で剥ぎ取ろうとする動物もいるようなので、取れないように厳重にまとめることが大切です。 

 

人用の消毒液使用は推奨されない

傷消毒のために市販の消毒液を使う飼い主もいるようですが推奨されません。オキシドールなど刺激の強いものを受けることで、ペットが暴れだしてしまう可能性があるからです。

 

動物は人間よりも痛みに敏感とされるので、優しく配慮しながら応急処置を進めましょう。 

 

エリザベスカラーを活用しよう

動物は怪我をした部分を気にして舐めたり、包帯などを自力で噛んで剥ぎ取ろうとしたりすることがあります。動物病院などで治療が一段落したあとは、これらを防止するために、エリザベスカラーと呼ばれる道具をペットの首に巻きます。 

 

原因が動物同士のトラブルなら動物病院へ

外傷や出血は動物同士のケンカや噛みつきでも発生します。この場合は応急処置をしたらすぐに動物病院でペットに診察を受けさせましょう。相手の動物から感染病などの菌を移されている可能性があるからです。 

 

火傷の場合

食卓などで熱いものをこぼして下にいるペットにかけてしまうなどで、火傷を負うケースも考えられます。動物は火傷を負うと激しく暴れることが多いとされるので、冷静な対処が必要です。

 

冷たい濡れタオルを当ててあげよう

動物を落ち着かせたら、冷たい濡れタオルで火傷した部分を冷やしてあげましょう。熱さが消えるまで続けることが大切です。猫などは水がかかることを嫌う場合があるので、氷のうなどをそっと当てるなどの代替法も考えられます。 

 

重度の火傷なら、浴槽に連れていき冷水をかける

火傷の範囲が広い場合は体全体を冷やす必要があるのでお風呂場に連れていきましょう。シャワーで水をかけたり、冷水が入ったサイズの大きい洗面器に入れたりすることが考えられます。

 

冷水を浸したタオルや包帯、ガーゼなどをあてがい、患部を守ってあげましょう。 

 

化学薬品などがかかったら水で洗い流す

化学薬品による火傷は、すぐに全身を水で洗い流す必要があります。しかし動物によっては水を嫌がることも想定されるので、その場合は水をかけずに直接動物病院へ連れていきましょう。

 

自己判断で火傷の薬などをつけると動物を刺激することがあるので、獣医に治療のほとんどを委ねるスタンスを心がけましょう。

 

骨折・脱臼の場合

ペットの骨に異常が疑われる場合は、患部を固定して動物病院へ連れていってあげましょう。

 

骨折部を固定し動物病院へ

犬や猫に骨折や脱臼が疑われる場合は、患部に添え木をしましょう。ケガをした場所に包帯を巻いてあげ、そこに脱脂綿もしくは布などを巻いたボール紙や板を添え、上からさらに包帯などで固めましょう。締めつけが強いと動物が嫌がったり、血流に影響したりするので要注意です。

 

なるべく動物を動かさないよう配慮しながら獣医のもとへ連れていきます。ケージやカゴなどに入れて運ぶことが考えられます。 

 

まとめ

ペットは活発な動物が多いので、怪我のリスクを常に考えなければなりません。怪我の予防が一番ですが、それでもペットが傷ついた場合に備え、ケース別の応急処置を知っておくと即座の対応ができます。

 

「多摩獣医科病院」では、ペットが負ったあらゆる怪我に対応しています。一般外来だけでなく、ICUなども設け、深刻な怪我や病気などによる入院にも対応可能です。ペットの怪我なら多摩獣医科病院へご相談ください。