多摩獣医科病院のブログ

犬が口周りを触られることを嫌がったときの対策は?歯磨きのコツも解説

犬が口周りを触られることを嫌がったときの対策は?歯磨きのコツも解説

 

犬の歯磨きや口腔チェックは重要とされていますが、犬が口周りを触れられることを嫌がるために十分にそれらが行えない場合があります。犬が健康な歯を維持することは、健康で長生きすることにも繋がります。そこで、この記事では犬の歯磨きや口腔チェックの必要性を振り返りながら、口周りを触るときに知っておきたい方法について紹介します。

犬にも歯磨きは重要

歯磨きが不十分だと歯周病等に陥る

犬も人間と同様に、日々の歯磨きが必要です。それは食事によって歯垢が溜まっていくためです。歯垢を歯磨きでしっかりと落とせないと、歯石となり、挙句の果てには歯周病や歯槽膿漏に至り、ひどいケースでは歯が抜け落ちるところまで発展します。犬にとっての歯は、食事だけに限らず、遊ぶ時やストレス発散においても重要であるため、日々の歯磨きは必ずしっかりと行うようにしましょう。

 

口腔チェックも怠らないようにする

歯に歯石が付着していないか、歯周病等になっていないかを確認するため、口腔チェックは定期的に行いましょう。まず、口臭を確認します。歯石は細菌であり、集積すると悪臭のあるガスを放出します。具体的には、卵やキャベツの腐った臭い、魚臭い臭いがしているときには要注意です。また、歯茎に出血がある場合には血生臭い場合もあります。次に、唾液の量を確認します。歯周病等が進行してくると唾液の量が多くなる傾向にあります。最後に、歯茎の腫れがないかを確認します。通常であればピンク色であり、歯茎をグッと指で押すと一時的に白くなります。しかし、腫れのある歯茎では色や触れた時の弾力、指で押した後の色の変化が異なります。

 

犬の口周りを触るための対策

歯磨きや口腔チェックでは口周りに必ず触れる

犬の歯磨きや口腔チェックをしっかりと行うためには、必ず犬の口周りを触らなければなりません。しかし、多くの犬は口周りに触れられることを嫌がる傾向があります。それは、口周りは犬にとって非常に敏感であるために、少し触れただけでも大きな刺激になってしまいます。ちなみに、母親の犬は子犬の口周りを噛むことでしつけを行います。

 

口周りに触れるには慣れることからはじめる

口周りに触れても嫌がらないようにするためには、慣れが必要です。この時、段階を踏んで触れるようにしていくことが良いでしょう。

 

まず、普段のスキンシップの中で口周りに軽く触れ、触れさせてくれたときにはおやつなどのご褒美をあげるようにします。これを繰り返すことで口周りに触れることが不快でないことを犬に覚えてもらいます。次に、口の中に指を入れたり、歯や歯茎に触れてみたりしましょう。指に犬が好きな味のするジェルや肉汁などをつけておくといった工夫をしてもかまいません。

 

最後に、指を奥までしっかりと入れて、歯の形や歯茎の状態が理解できるほどに触れるようにします。これによって犬が慣れるだけでなく歯磨きや口腔チェックでも歯の位置関係や状態がイメージ出来、素早く行えるようになります。

 

ちなみに、犬の歯に触れることは小さなうちから行っていくことが良いでしょう。それは、1歳を越えることで慣れるまでに非常に時間がかかってしまうためです。

 

口周りを触るための工夫

口周りを触る時には、いくつかの工夫が必要です。まず、触らせてくれるからといって長時間に渡って触らないようにしましょう。特に、「今日はいつもより触らせてくれるから、歯磨きを長めにしっかりやろう!」と意気込んでいるときには注意が必要です。それよりも、触ったことで不快にさせないことが大切になるため、犬が受け入れることができる範囲の時間にしましょう。

 

次に、二人がかりで口周りに触れることも良いでしょう。一人で無理に口周りを触ろうとすると、犬に無理な姿勢を強要してしまうこと、力任せになってしまうこと、こちらが余計な労力を使うこと等に繋がってしまいます。一人が体を押さえ、もう一人が口周りを触るようにする方が犬にもこちらにも負担が少なくなります。

 

過剰に嫌がる場合には動物病院へ

口周りを触られることを過剰に嫌がっている時には、すでに虫歯、歯周病、歯槽膿漏といった歯科の病気にかかっている可能性があります。犬も人間と同様に早期治療によって負担が少なく、病気の進行も軽度で済むことが多いものです。口周りを見せてくれないために確認できず、受診が遅れたという事態に陥らないように、早めに動物病院へ行きましょう。

 

まとめ

この記事では、犬の歯磨きと口腔チェックの重要性、その時に必要な口周りの触れ方について紹介しました。最初から完璧に歯磨きや口腔チェックを行うことは非常に難しいため、できるところから徐々に上手になっていくイメージを持って取り組んでみると良いでしょう。

 

もし、あなたが川崎市で犬の歯に関連したお悩みを持っているならば、歯科診療に特化した動物病院である「多摩獣医科病院」にご相談ください。それぞれの犬に適した歯科診療を行っています。ぜひお気軽にご連絡ください。