多摩獣医科病院のブログ

混合ワクチンはどのようなワクチンを打つ? 〜気になる作用〜

混合ワクチンはどのようなワクチンを打つ? 〜気になる作用〜

 

犬をこれまでに飼ったことがない方は、犬を飼うにあたり飼い主さんに義務づけられていることがいくつかあることをご存じでしょうか。散歩やしつけだけでなく、犬の健康維持も飼い主の大切な役目です。その中には、犬に定期的に予防接種を受けさせることも含まれています。このページでは、犬に必要なワクチンについてご紹介していきましょう。

どのようなワクチンを打つか

犬に必要なワクチンはさまざまあり、国の定めによって必ず打たなければならないワクチンと、健康を維持するためのワクチンがあります。

受けなければならないワクチンとは、狂犬病のワクチンです。狂犬病は集団感染しやすい病気で犬の病気だけでなく、他の哺乳類にも被害を与えてしまう可能性がある上に、致死率の高い感染症です。そのため日本では一年に1度犬を飼っている飼い主に対して、犬にワクチン接種させるよう法律で定めています。

一方で受ける必要はないけれども、犬の将来を考えると受けたほうがよいワクチンもあります。これらのワクチンを「混合ワクチン」と呼んでいます。混合ワクチンを打つことで、犬がかかりやすいさまざまな病気を予防することができますので、飼い主さんはなるべく混合ワクチンを愛犬に打つようにしましょう。

混合ワクチンで対応できる病気

ワクチンの内容は動物病院によって異なりますが、主な内容は次の通りです。

  • 犬ジステンパー
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症
  • 犬パルボウイルス感染症
  • レプトスピラ感染症

これらの病気に犬がかかってしまう可能性を予防します。犬は人間以上に病気に感染するリスクが高く、飼い主さんはこれらの病気に犬がかからないように予防接種を受けさせるようにしましょう。動物病院によって混合ワクチンの内容が異なりますが、多くの病院で主な感染症を予防することができるワクチンを打つことができます。これらの総称を混合ワクチンと呼び、病院によって違うところですのでワクチンの内容を検討した上で打つようにしてください。

なお、費用は動物病院によって異なりますが5,000円〜8,000円です。混合ワクチンの種類が多くなると費用も高くなります。動物病院によって費用が異なりますので、お財布事情と合致する病院を選ぶようにするとよいでしょう。

効果的に発揮するタイミング

ワクチンは生後すぐに接種を受けても効果はありません。生後3~4ヶ月後はお母さんからもらった抗体が体内にありますので、色々な病気を予防できますが、それ以降に病気にかかってしまう可能性があります。そのため生まれてすぐにワクチンを打つのではなく、4ヶ月後のタイミングを見計らって受けましょう。

気をつけるべきこと

ワクチンを打っておしまいではありません。その後犬の容体が悪化してしまうケースや、追加で別のものを打ったほうがよいというケースがあります。飼い主さんは次のようなことに注意するようにしてください。

容体を観察する

ワクチンを打った後にアレルギー反応を起こしてしまうこともあり得ます。犬によっては予防接種の効果がなく予防接種した病気にかかることもあります。予防接種を受けた後は、犬の普段の生活を観察するようにしてください。この時、犬がおかしい様子を見せたり、いつもと明らかに食欲が落ちてしまったりする様子が見られる時は獣医師に相談しましょう。

種類が多ければ多いほどよいわけではない

混合ワクチンの中には5種類のものもあれば8種類のものもあります。10種類の合成ワクチンを提供している動物病院もあります。種類が多い=絶対に病気にかからないというわけではありません。犬種によっても打つべきワクチンが変わりますので、どのワクチンが最適かよくわからない時は獣医師と相談するようにしてください。

定期的に動物病院へ通う

犬は猫以上に予防接種をするために動物病院に通うことが多くなります。犬の性格によっては予防接種が苦手で動物病院に行くこと自体が苦手ということも多くあります。動物病院が苦手になるとワクチンの予防接種を受けたくても通院するたびに暴れてしまうことになりますので、動物病院に定期的に通って慣れさせるようにしましょう。

動物病院に行くことに慣れると比較的大人しくしできるようになります。犬のためにも動物病院は怖くない場所だという認識をさせるようにしてください。このようなことに意識をしていれば、予防接種も面倒なことにはなりません。大切なことは免疫をつけて、ペットも飼い主も健やかに生活することですので、犬がある程度抵抗を見せても連れて行くようにしましょう。動物病院に連れて行った後は大好きなおやつを与えるようにしますと、喜んで病院に行くようになります。

まとめ

混合ワクチンを打つことで、いろいろな病気を予防することができます。しかし、犬によって受けなくてもよいワクチンもありますので、獣医師と相談するようにしましょう。

「多摩獣医科病院」では、犬、猫、うさぎを中心に診察しています。合成ワクチンはそれぞれの犬に合わせてワクチンを選んで受けることができますので、川崎市にお住まいの飼い主さんはぜひ当院にご相談ください。