動物病院に通院する場合、気になるのは費用です。人間のように健康保険があるわけではありません。病気を治療に通うのだから、できればそんなことは考えたくはないものですが、そうは言っていられないのが現実です。
本記事では、動物病院への通院にかかる費用についてご説明いたします。いずれも一般的な治療で必要な費用について解説をしていきます。
動物病院でかかる費用について
動物病院でかかる費用は病院によって異なるのが結論です。そのため、多くの病院が設定している一般的な費用の目安を記載します。
検査にかかる費用について
まず、それぞれの検査にかかる費用や診察料の目安は、下記の通りです。
- 初診料:1,000~2,000円
初診料は、基本的に1,000~2,000円の病院が多いです。次に検査にかかる費用について確認をしてみましょう。
- 採血料:500~1,000円
- レントゲン検査料:2,000円~
- 超音波検査料:2,000円~
- 糞便検査料:500円~
ワクチンにかかる費用について
犬を飼育すると、ワクチンの接種が必要になります。ここでは、犬の予防接種にかかる費用について紹介いたします。
- 狂犬病予防接種:自治体により異なりますが3,000円程度が目安
- 混合ワクチン:5種、6種、8種、9種、10種と何種かによっても異なりますが目安は5,000~1万円程度
去勢手術の費用について
【犬の手術費用】
- オスの去勢手術(入院なし): 2万~3万円程度
- メスの避妊手術(1泊入院): 3万~5万円程度
次に、猫の手術費用についての目安です。
【猫の手術費用】
- オスの去勢手術:1万~2万円程度
- メスの避妊手術:1万5,000~3万円程度
去勢手術や避妊手術については、麻酔がかけられる身体かどうか調べるためにX線検査や血液検査の費用がかかる場合があります。これは犬においても猫においても同様です。
犬の歯のケアについて
犬の歯の磨き方
飼っているペットが、何かちょっと調子が悪いから病院で検査、というだけで決して安くはない費用がかかることがご理解いただけたかと思います。ですが、飼育している動物を病院に通わせることにならないために、日ごろからの病気の予防は可能です。
予防の一例として、犬の歯磨きについて解説いたします。歯磨きも大事な病気の予防です。犬のマズル(口の周りから鼻先の部分)は敏感な部分なので、ほとんどの犬は口周りを触られることがあまり好きではありません。そのため、いきなり歯ブラシを口に入れるのではなく、まず口の周りを触る段階から始めていきます。口元を優しく触り、嫌がらないようなら少しずつ触る時間を増やしていってください。
次に、口をまだ閉じたまま、そっと優しく唇をめくって前歯や歯肉に触れていきます。焦って奥のほうを触るのではなく、触りやすい部分から優しく触っていきましょう。手におやつなどを持って、あげながら行うとよいでしょう。少しずつ口の中の奥のほうを触っていきます。
そして犬が、マズルや口の中を触らせてくれたら、そのたびにしっかりと褒めてあげましょう。犬が口の中を触らせてくれるようになったら、いきなり歯ブラシで磨くのではなくて、まずはガーゼを使ってみてください。ガーゼを使う理由は、飼い主の指の感触が分かるので、犬が歯ブラシよりは受け入れやすいからです。
ガーゼは、犬の歯に引っかかったりくわえられたりしないように、指にしっかりと巻き付けるのがコツです。最初のうちはぬるま湯をたっぷりとつけて優しく、前歯や奥歯を磨いていきます。
歯ブラシは、ガーゼに慣れてからの挑戦がおすすめです。初めは歯ブラシに慣れてもらうために匂いを嗅がせてあげましょう。歯ブラシを口に入れたら褒めてあげて、噛んでも怒らないでください。おやつを握った手で歯ブラシを持ち、口に触れてからおやつを与えることも効果があるでしょう。
歯ブラシに慣れていない初めのうちは、歯ブラシを歯茎にそっとあてて、歯茎にあてさせてくれたらおやつをあげて褒める、を繰り返していきます。大変ではありますが、最初の段階では1ヶ所磨くごとに褒めてあげて、ご褒美をあげるように心がけてください。
このように、慣れない最初のうちは短時間ですぐに止め、褒めてあげたりおやつを与えたりすることで犬に「歯を磨くと何か楽しいことが待っている!」と覚えさせましょう。逆に、飼い主があまり身構えてしまうのは良くありません。段階を踏むことによって、口周りを触られるのがどうしても苦手という子も少しずつ慣れていきます。
犬の歯の病気について
犬も人と一緒で、歯周ポケットに細菌が入り込んでしまい歯周病にかかってしまいます。そして歯周病の症状が重くなると、細菌が血管にも入り込んで内臓に影響を及ぼしてしまい、命に関わる危険性もあります。「動物の歯磨きなんてそんなしっかりしなくても大丈夫でしょう?」という意識ではなく、犬の歯磨きをきちんとしてあげることで病気を防ぐという意識で行ってください。犬は人間と比べると歯垢が歯石になる早さが早いことも踏まえておきましょう。
犬の中でも特に小型犬や、短頭種の犬(フレンチブルドッグやパグなど)はその骨格上、歯周病になりやすい種類です。歯周病は放置してしまうと骨が溶かされて、最後には皮膚に穴が開いてしまう症例もある恐ろしい病気です。
また、よくドライフードはウェットフードと比べて歯垢がつきにくいといった表現が見られます。確かにドライフードのほうがウェットフードより水分量が少なく、犬はよく水を飲むのでその結果、フードが口内に残りにくいです。しかし、大事なのは「食事中の咀嚼を促して、適度な固さを持っており、歯との接触面積が広いかどうか」という点です。つまり、歯の先に当たっただけですぐに砕けてしまう柔らかさのフードでは、デンタルケアの効果はあまり期待できません。デンタルケア目的でドッグフードを購入する場合、きちんとその販売会社が実験データを明確にしている商品を選ぶか、上記の点を頭に入れた上で、飼い主ご自身で判断したほうがいいでしょう。
まとめ
動物病院に通院するとかかる費用についてご説明しましたが、動物の飼育は思わぬところで費用がかさむことがあります。そのことをきちんと理解し、異変に気づいたらすぐに病院で受診するようにしてください。
「多摩獣医科病院」では、歯科を中心に各種予防接種や一般外来など、幅広く対応しております。3台分の駐車場も完備しております。お飼いになっているペットに何かございましたらお気軽にお越しください。