多摩獣医科病院のブログ

ペットの室内犬を飼い始める前に家庭内の怪我対策を施そう

ペットの室内犬を飼い始める前に家庭内の怪我対策を施そう

 

新しくペットの室内犬を飼いたいと考える人はいるようですが、その前に自宅内をチェックし、犬の怪我につながる場所をチェックしておきましょう。動物の怪我は外ばかりでなく家のなかでも多いからです。室内犬を安全に飼いたくて怪我を予防したい人もいるでしょう。

 

本記事では、室内犬の安全を守れるように、家庭内で動物が怪我しそうなポイントと予防法を紹介します。これを読んで、ペットが安心して過ごせる環境を作ってあげましょう。 

落下事故に要注意

特に幼い子犬の足の骨はもろいので、ちょっとした落下事故で骨折する可能性もあります。家財道具の位置取りなどをチェックし、室内犬が傷つかないための配慮が大切です。 

 

椅子やテーブル、ソファーなどの家財道具から

家財道具にはイス、テーブル、ソファー、ベッドなど人が座ったり乗ったりして使うものが多くあります。しかしイスやベッド程度の高さに犬が乗った後、そこから落下しても骨折するケースがあります。

 

家財道具にはなるべく犬を近づけないように、上に上がったらすぐに降ろしたり、ケージなどの安全なスペースに隔離したりするなどの対策が重要です。

 

ちなみに家財道具はテーブルやドアなどが角張っていて、そこに犬がぶつかって目などを怪我するおそれもあるのでこちらにも配慮しましょう。 

 

抱きかかえそこねて落としてしまうケースも

子どもや高齢者などが犬を抱きかかえそこねて落としてしまうこともあるので、大人のサポートが不可欠です。落としそうになったらすぐに受け止められるように付き添ってあげましょう。

 

窓、ベランダ、階段などからの落下に要注意

窓、ベランダ、階段などの高所から犬が落ちてしまい、命に関わるケースもあります。窓沿いにベッドがあると、犬が登って身を乗り出しかねないので上げないようにしましょう。

 

ベランダでも仕切りに子犬一匹分以上の穴がある場合は出さないようにしましょう。仕切りの穴を柵でふさぐことも考えられます。犬だけで階段に近づかないように目配せも大切です。 

 

浴槽や水槽に落ちて溺れることも

犬が浴槽に侵入し、風呂場に落ちて溺れる危険性があります。浴室の戸締りは忘れないように心がけましょう。 

 

飛びつきで足を傷めることも

イスの背もたれにタオルをかけていたり、室内干しをしたりしていると、犬がタオルや服などに飛びつくことがあります。このとき、着地に失敗して足を痛めるリスクがあります。布類や服はクローゼットにしまい、室内干しは犬が立ち入らない場所で済ませましょう。

 

フローリングは犬が歩きづらい

フローリングは犬が滑ったり転んだりしやすいです。不安定やフローリングを通り続けているうちに、腰や膝を痛めてしまい、膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼やヘルニアにいたる可能性もあります。犬の歩き方が不自然になっていたら、異常を示している可能性があるので動物病院に要相談です。

 

特にコーギー、レトリーバー、チワワ、トイプードルなど、フローリングが苦手で怪我をしやすい犬種は多いとされます。また、太った体型や小型犬は特にフローリングを進みづらいようなので注意です。 

 

室内犬をなるべくフローリングに触れさせないためには、和室に犬用スペースを設ける、フローリングに毛の短いカーペットやマットを敷くなどで、犬の足を守りましょう。 

 

犬は何でも口にすることでトラブルになるおそれがある

犬は人間と違い、あらゆるものを口にしてしまうので、床に残ってあるものに気をつけましょう。

 

配線をかじって感電する可能性がある

犬を飼っている間は、配線が床に散らないように注意が必要です。犬がコードをかじって感電してしまう可能性があるからです。ショートしたコードから火花が飛び散り、火災の原因にもなります。 

 

床に落ちているものを飲んで窒息することも

室内犬を飼うなら、飼い主はゴミをこまめに掃除し、物をため込まない習慣を心がけましょう。地面に物が散らかっていると、食べ物ではないものを犬が誤飲してしまい、窒息事故にいたるおそれがあります。 

 

電化製品や熱い料理などによる火傷

室内犬は火傷のリスクにも気を配りながら飼いましょう。注意すべきはヒーターやコタツなどの電化製品、鍋などの熱いものです。 

 

電化製品で低温火傷の可能性が

犬がヒーターに近づきすぎたり、コタツに潜ったまま出てこなかったりして、低音火傷にいたるケースがあります。室内を暖める電化製品を使用中は、犬が知らず知らずに近づきすぎないように常に位置を確かめ、危なくなったら自身の近くに置くなどの対策が重要です。

 

熱いものを扱うときはペットが近づかないようにしよう 

食事を作るのにコンロを使っていたり、鍋を食べたりするときがありますが、こうした熱いものをこぼして犬にかからないように注意しましょう。

 

料理中はキッチンに犬が近づかないよう気を配る必要があります。鍋など熱いものを運んでいるときは、犬に躓いて転んだ結果、自身も火傷するおそれがあります。食事前後は事前に犬を仕切りなどで隔離した方が賢明でしょう。 

 

まとめ

家のなかで犬を飼うときも不慮の事故に気をつけなければなりません。家財道具や電化製品などでペットが傷ついてしまうおそれがあります。危ない場所に近づけないように仕切りやケージなど専用スペースを中心として飼うよう心がけましょう。

 

「多摩獣医科病院」では家庭内などの事故で怪我をしてしまった犬や猫などペットを受け入れています。一般外来に限らずICUなど、深刻な怪我による入院への対応もできます。家のなかで起きた事故などで怪我をしたペットがいる場合は当院までお問い合わせください。